固有空間とその次元について(線形代数・中級編)
1. 固有空間の定義
線形代数において、線形変換 (あるいは対応する行列 )に対し、固有値 が存在するとき、その固有値に対応する固有ベクトル は次の条件を満たします:
このとき、固有値 に対応する**固有空間(eigenspace)**は、次の集合で定義されます:
つまり、固有値 に対応する固有ベクトルと零ベクトルを含む部分空間のことです。
別の言い方をすると、固有空間は次のように表されます:
ここで は核(カーネル)、すなわち零化空間を意味します。
2. 固有空間の次元
固有空間の次元を 幾何的重複度(geometric multiplicity) と呼びます。これは以下で定義されます:
幾何的重複度は「その固有値に対応する一次独立な固有ベクトルの数」を意味します。
重要な性質として:
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幾何的重複度は必ず 1 以上。
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幾何的重複度は 代数的重複度(algebraic multiplicity)(固有多項式における根の重複度)以下である。
3. 固有空間の役割
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固有空間は、線形変換や行列を「対角化」できるかどうかを判定する上で重要な概念です。
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ある行列が対角化可能であるためには、すべての固有値について幾何的重複度の総和が空間全体の次元に等しい必要があります。
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幾何的重複度が代数的重複度に等しい場合、その固有値に関する固有ベクトルが「十分な数」存在し、対角化の基底を構成できる可能性が高いです。
4. 例
例えば、次の行列を考えます:
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固有値は (代数的重複度 = 2)。
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固有空間は
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よって 。
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この場合、幾何的重複度 = 代数的重複度 であり、完全に対角化可能。
一方で、
の場合:
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固有値は同じく (代数的重複度 = 2)。
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固有空間は
-
よって 。
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幾何的重複度 < 代数的重複度 であり、対角化は不可能。
まとめ
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固有空間 は固有値 に対応する固有ベクトルの集合。
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その次元(幾何的重複度)は代数的重複度以下。
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固有空間の次元が対角化可能性の判定において重要。
ChatGPT5 生成日:2025/09/17