行列式(determinant)の定義と性質

それでは「数学」の「線形代数」における「基礎編(初歩)」の「行列の基本」の中から「行列式(determinant)の定義と性質」について詳しく説明します。


1. 行列式の定義

行列式(determinant)は、正方行列(縦と横の次元が等しい行列)に対して定義される実数または複素数の値です。行列式は、行列が「可逆(逆行列をもつ)かどうか」や、「線形写像が体積をどのように変化させるか」を表す重要な量です。

  • 2×2行列の場合

A=[abcd]A = \begin{bmatrix} a & b \\ c & d \end{bmatrix}

の行列式は次のように定義されます。

det(A)=adbc\det(A) = ad – bc

  • 3×3行列の場合

A=[abcdefghi]A = \begin{bmatrix} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \end{bmatrix}

の行列式は次のようになります。

det(A)=a(eifh)b(difg)+c(dheg)\det(A) = a(ei – fh) – b(di – fg) + c(dh – eg)

  • 一般の n×nn \times n 行列
    行列式は**余因子展開(cofactor expansion)置換の符号付き積の和(Leibniz の公式)**で定義されます。
    Leibniz の公式では、

det(A)=σSnsgn(σ)i=1nai,σ(i)\det(A) = \sum_{\sigma \in S_n} \text{sgn}(\sigma) \prod_{i=1}^n a_{i, \sigma(i)}

ここで SnS_nnn 個の要素のすべての順列の集合、sgn(σ)\text{sgn}(\sigma) は順列の符号(+1 または -1)です。


2. 行列式の幾何学的意味

行列式には次のような直感的な意味があります。

  • 2次元の場合
    2×2行列の行列式は、対応する線形写像が単位正方形をどのように平行四辺形に変換するか、その面積の拡大率と向きを表します。
    正なら向きを保ち、負なら向きが反転します。

  • 3次元の場合
    3×3行列の行列式は、単位立方体を変換したときの体積の拡大率を表します。


3. 行列式の基本的な性質

行列式には多くの重要な性質があります。代表的なものを挙げます。

  1. 単位行列の行列式

    det(I)=1\det(I) = 1

  2. 転置行列の行列式

    det(AT)=det(A)\det(A^T) = \det(A)

  3. 積に関する性質

    det(AB)=det(A)det(B)\det(AB) = \det(A) \cdot \det(B)

  4. 逆行列との関係
    AA が正則(逆行列を持つ)ならば、

    det(A1)=1det(A)\det(A^{-1}) = \frac{1}{\det(A)}

  5. 行(列)の入れ替え
    行列の2つの行(または列)を入れ替えると、行列式の符号が反転する。

  6. 行のスカラー倍
    行(または列)を定数 kk 倍すると、行列式も kk 倍される。

  7. 行の加法
    ある行に他の行の定数倍を加えても行列式の値は変わらない。

  8. 零行列や重複行のある行列
    行列に全てがゼロの行(列)がある場合、または同一の行(列)がある場合、行列式は 0 になる。


4. 行列式と可逆性

  • det(A)0\det(A) \neq 0 のとき、行列 AA は逆行列を持ち「正則(invertible)」である。

  • det(A)=0\det(A) = 0 のとき、行列 AA は逆行列を持たず「特異(singular)」である。


まとめ

行列式(determinant)は、正方行列に対して定義され、行列の可逆性や線形写像の体積変換を表す基本的な概念です。定義は余因子展開やLeibniz公式で与えられ、積や転置との関係、行操作に対する性質など多くの重要な法則を持ちます。

ChatGPT5 生成日:2025/09/17