クエリ→検索→生成のパイプライン構築

LangChainにおける「クエリ→検索→生成のパイプライン構築」は、Retrieval-Augmented Generation(RAG)の基本構造をLangChainの機能を使って実装するプロセスです。この構造では、ユーザークエリを受け取り、それに関連する外部知識を検索し、その情報をもとにLLMが回答を生成します。以下に、その詳細な流れを解説します。


1. クエリ(Query)

概要

ユーザーからの自然言語による入力です。たとえば、「日本の首都はどこですか?」のような質問が与えられます。

LangChainでの実装

  • クエリはPythonの関数、またはLangChainのRunnableインターフェースの入力として扱います。

  • オプションとして、PromptTemplate を用いてクエリの整形を行うことも可能です。


2. 検索(Retrieval)

概要

ユーザークエリに基づき、知識ベースやドキュメント群から関連情報を検索するステップです。これがRAGにおける「外部知識の導入」の中核です。

使用する主なコンポーネント

  • Retriever: VectorStoreRetriever など。内部的にはベクトル化されたドキュメントとクエリの類似度に基づく検索が行われます。

  • ベクトルストア: FAISS、Weaviate、Pinecone などを使用可能。

LangChainでの構築手順

  1. ドキュメントをロード(例:PDF、Markdown、Webページ)→ DocumentLoader

  2. チャンクに分割 → TextSplitter

  3. ベクトル化 → Embeddings モデル(例:OpenAIEmbeddings、HuggingFaceEmbeddings)

  4. インデックスに登録 → VectorStore(例:FAISS)

  5. 検索クエリに応じて Retriever.get_relevant_documents(query) を実行


3. 生成(Generation)

概要

検索によって取得された関連ドキュメントとユーザークエリを組み合わせて、LLMが最終的な回答を生成します。

使用する主なコンポーネント

  • PromptTemplate: ドキュメントとクエリをテンプレートに挿入してプロンプトを構築

  • LLM: OpenAI, Anthropic, Cohere など任意のLLM

  • LLMChain: プロンプトとLLMを連携させたチェーン

LangChainでの実装例(構成)

python
from langchain.chains import RetrievalQA qa_chain = RetrievalQA.from_chain_type( llm=ChatOpenAI(), # LLMのインスタンス retriever=vectorstore.as_retriever(), # 上記で構築したRetriever chain_type="stuff" # ドキュメントの結合方式(stuff, map_reduceなど) ) result = qa_chain.run("日本の首都はどこですか?")

LangChainによるパイプライン全体の構築

  1. DocumentLoader → ドキュメントの読み込み

  2. TextSplitter → チャンク分割

  3. Embeddings + VectorStore → インデックス作成

  4. Retriever → クエリに対する関連情報検索

  5. PromptTemplate + LLM → プロンプト設計と回答生成

  6. RetrievalQA or Custom Chain → クエリ→検索→生成の統合チェーン


応用的な設計要素(補足)

  • Multi-Retriever: 異なるソースを横断するRetrieverの構成

  • Memory: ユーザーとの対話履歴を保持し、検索・生成に活用

  • LangGraphや**LCEL(LangChain Expression Language)**を使えば、複雑なルールベースのパイプライン構成も可能


このように、LangChainでは「クエリ→検索→生成」の各ステップを個別のコンポーネントとして定義し、柔軟に組み合わせることで、強力なRAGアーキテクチャを構築することが可能です。必要に応じて、各コンポーネントの挙動をカスタマイズすることもできます。

ChatGPT4o 生成日:2025/06/12