「偏微分(Partial Derivative)」は、多変数関数の微分の一種であり、他の変数を一定と仮定したうえで、特定の変数に関する変化率(導関数)を求める操作です。機械学習や強化学習では、**損失関数の最適化や勾配法(Gradient Descent)**において頻繁に用いられます。
1. 偏微分の基本的な定義
関数
f(x, y)
のように、複数の変数(この場合は x と y)を持つ関数を考えます。x に関する偏微分は、y を定数とみなして微分を行うことを意味します。
定義式
このように、「∂」は偏微分の記号であり、通常の微分(d)と区別されます。
2. 偏微分の例
関数:
この関数の x に関する偏微分は:
y を定数とみなして微分しました。
同様に、y に関する偏微分は:
x を定数とみなして微分しました。
3. 機械学習との関係
偏微分は、損失関数(Loss Function)を最小化するための勾配を計算する際に使われます。
例えば、重み とバイアス を持つモデルの出力に対する損失関数 があるとき、最適なパラメータを求めるには:
のような偏微分を求め、勾配降下法により更新を行います。
勾配降下法の更新式
(η は学習率)
4. 偏微分と勾配ベクトル
多変数関数のすべての偏微分をまとめると、**勾配ベクトル(Gradient)**になります:
これは、関数 f の変化が最も急な方向を示すベクトルであり、機械学習の学習アルゴリズムにとって非常に重要です。
5. 高階の偏微分
偏微分をもう一度行うと、「高階偏微分」になります:
-
:x について2階の偏微分
-
:x と y に関する混合偏微分
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 他の変数を固定して一変数のように微分 |
| 記号 | ∂(偏微分記号)を使う |
| 役割 | 勾配の計算、最適化手法(勾配降下法)で必須 |
| 応用 | 損失関数の最小化、ニューラルネットワークの学習など |
生成日:2025/06/01