「線形代数」の「基礎編(初歩)」における「行列の加法・乗法・転置」について、順を追って詳しく説明します。
1. 行列の加法
定義
2つの行列 A と B が加法できるのは、それらの行と列の大きさが等しい場合です。
加法は、対応する成分を単純に足し合わせます。
A+B=Cただし Cij=Aij+Bij
例
A=[1324],B=[5768]
A+B=[1+53+72+64+8]=[610812]
2. 行列の乗法
定義
行列の掛け算は、左の行列の列数と右の行列の行数が一致する場合に可能です。
結果の行列のサイズは「左の行列の行数 × 右の行列の列数」になります。
計算式は次の通りです:
C=A×Bただし Cij=k=1∑nAik⋅Bkj
ここで、
-
A が m×n 行列、
-
B が n×p 行列ならば、
-
C は m×p 行列となります。
例
A=[1324],B=[5768]
計算すると:
AB=[1⋅5+2⋅73⋅5+4⋅71⋅6+2⋅83⋅6+4⋅8]=[19432250]
※行列の積は一般に交換法則が成り立たない(つまり AB=BA)。
3. 行列の転置
定義
行列 A の転置を AT と書きます。転置とは、行と列を入れ替える操作です。
(AT)ij=Aji
例
A=[142536]
AT=123456
性質
-
(AT)T=A
-
(A+B)T=AT+BT
-
(AB)T=BTAT
まとめ