Kerasの基本的な使い方(Sequential APIとFunctional API)

Kerasは、深層学習モデルを簡潔に構築・訓練できる高水準のニューラルネットワークAPIです。特にTensorFlowのバックエンドと連携して使われることが多く、迅速なプロトタイピングや教育用途にも適しています。

Kerasには主に2つのモデル構築方法があり、それぞれに適した用途があります。


1. Sequential API(順次モデルAPI)

概要

Sequential APIは、入力層から出力層までを順番に積み重ねていく形式のモデル定義方法です。単純な構造のモデルを素早く記述するのに向いています。

特徴

  • 単一の入力と単一の出力をもつ単純なモデルに適する。

  • レイヤーが一列に順番に並ぶネットワークに最適。

使用例

python
from tensorflow.keras.models import Sequential from tensorflow.keras.layers import Dense model = Sequential([ Dense(64, activation='relu', input_shape=(100,)), Dense(10, activation='softmax') ])

または、レイヤーを1つずつ追加する方法もあります:

python
model = Sequential() model.add(Dense(64, activation='relu', input_shape=(100,))) model.add(Dense(10, activation='softmax'))

2. Functional API(関数型API)

概要

Functional APIは、より柔軟で複雑なモデル構造(分岐、マージ、複数入力・出力など)を記述可能な方法です。ニューラルネットワークの構造が複雑になる場面に適しています。

特徴

  • 任意のネットワーク構造を定義可能。

  • 入力や出力の複数化、スキップ接続、共有レイヤーなどに対応。

  • モデルの可視化や再利用がしやすい。

使用例

python
from tensorflow.keras.models import Model from tensorflow.keras.layers import Input, Dense inputs = Input(shape=(100,)) x = Dense(64, activation='relu')(inputs) outputs = Dense(10, activation='softmax')(x) model = Model(inputs=inputs, outputs=outputs)

比較まとめ

特徴 Sequential API Functional API
コーディングの簡便さ ◎ 簡潔に書ける △ やや冗長
柔軟性 △ 単純な直列構造に限定される ◎ 複雑な構造(多入力・多出力など)に対応
モデル構造 単純な直列ネットワーク 任意のグラフ構造
推奨される用途 初心者向け、小規模プロトタイピング 複雑なモデル、研究開発、本番利用

まとめ

  • Sequential APIは初心者や簡単なモデル設計に適しています。

  • Functional APIは複雑なモデル構造を必要とする場合に有効です。

  • 両者は内部的には同じKerasのModelクラスを利用しており、互換性があります。

Kerasを使いこなすには、まずSequential APIで基本構造を学び、徐々にFunctional APIへと移行する学習プロセスが有効です。

生成日:2025/05/22